“ことのは”の森 / Column

ドラセナ

 “幸福の木”と呼ばれる観葉植物のドラセナに3年ぶりに花が咲きました。“3年ぶり”、いい響きです。今年は、日本各地で“3年ぶり”が増えています。高校野球、全国各地のお祭りや音楽フェスなど、2019年を最後に、2020年、2021年と開催が見送られ、丸3年の空白を経ての3年ぶりです。
 でも、足下では、国内のコロナの感染者数は過去最高です。東京オリンピックが延期された2年前、あるいは、賛否両論の無観客開催となった1年前と何が違うのか?重症化しなくなった?ワクチン接種が進んだ?はもちろんですが、なによりも、コロナが“未知”のものではなくなり、必要以上に怖がらなくてよくなったからともいえます。

 ただ、世の中、時が解決してくれることも多いですが、時は無情でもあります。ふと気がつくと、新たに“怖がるべきもの”が見えてきました。『増えた債務』と『先送りした事業承継』です。
 3年ぶりのお祭りで懐かしさや元気をもらっても、元に戻ったわけではなく、時は刻々と過ぎ、円安、資源高、インフレ・・・と、周囲の景色はすっかり変わりました。頂上を目指して七合目あたりを登っていたはずなのに、断崖絶壁に立ちすくんでいたりします。
 “3年ぶり”に、もう一度、事業承継という課題に真剣に向き合い、動くタイミングです。一人では解決できない問題ゆえ、まずは、今の心情や事業承継への想いを誰かに話してみてください。怖がり過ぎることなく、正しく怖がり、具体的に行動することで、次が見えてくるはずです。
3年ぶりに咲いた花は、そんなことを伝えたかったのかもしれません。

・・・ 敬具
(梟)

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