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“ことのは”の森 / Column

孟宗竹

 竹は、草でも木でもない、不思議な植物です。
イネ科の植物ですが、一つの地下茎で繋がって殖えるので、キノコやイチゴのように無性生殖をします。よって、花を咲かせて交配する必要はないのですが、ごく稀に花を咲かせるそうです。孟宗竹(モウソウチク)は60年、真竹(マダケ)は120年に一度という周期で、竹林の若い竹も古い竹も一斉に花を咲かせた後、地下茎でつながる一個体ゆえ、竹林すべてが枯れてしまいます。
 花を咲かせずとも子孫を殖やせるのに、60年、120年に一度、あえて最期に花を咲かせて交配し、実を結び、種をつくり、新しい竹林を生み出す。環境の変化に対応し、種を保存するため、晩年にのみ有性生殖をするという、その生命の神秘には驚異や畏怖すら感じます。
 また、竹の構造も不思議で、筒状で空洞になっているのは、少ない養分で速く成長することで、他の草木との生存競争に勝ち抜くため、あるいは、二酸化炭素を蓄えて寒さに耐えるためともいわれています。さらに、円筒で中空という形状は、強度と柔軟性を兼ね備える一方、折れたり潰れたりしやすいという弱点でもあるので、横向きの支えとなる“節”で、外からの圧力や曲げに対する強度を高めています。

 竹が、子孫を永く残し、生き続けるために兼ね備えている、こうした“花”や“節目”という神秘は、人間の営みである“事業承継”にも多くの示唆を与えます。
 人間も、事業承継にあたり、環境の変化に対応して、会社を永続的に残していくためには、『最期に花を咲かせて種を残す』、あるいは、『しなやかに強く速く成長し続けるための節目をつくる』など、植物以上に、知恵を絞り、決断し、思いきった行動をとらなければ、生き残れないのかもしれません。

・・・ 敬具
(梟)